勇気こそ 地の塩なれや 梅真白 中村 草田男
1901年7月父親の赴任先の中国で生まれ、1983年8月に東京で亡くなりました。
ホトトギスの同人で石田波郷、加藤楸邨とともに人間探求派と呼ばれました。
季語で梅と言えば白梅のことで、紅梅という季語が別にあります。
にもかかわらず梅真白と詠んだところに
草田男の想いが込められているのではないでしょうか。
他に、「冬の水 一枝の影も 欺かず」 という句もあって、
冬の澄んだ水面は小さな枝さえ正確に映していると詠んでいます。
自分を正しくして、勇気を持って清らかに生きてゆこうという
草田男のメッセージのように感じます。
奈須野 諒子