夜の目には 見えぬ紫陽花 蛍来る 金子 兜太
1919年9月に生まれ、2018年2月に98歳で他界した金子兜太さんは、
俳句界における風雲児だったとの事です。
この句も季重なりですが、濃い紫の紫陽花は夜の闇の中では、
暗さに溶け込んで見えないので、
しっかりと現象を捉え、正確に詠んでいます。
詠む対象や事柄を、自分の感じ方で正確に他の方に伝えるということは
とても難しいと実感しているので、
やはり力のある方の俳句には、学ぶべきことがぎっしり詰まっていると
ひれ伏すばかりです。
奈須野 諒子