「肩に来て 人懐かしや 赤蜻蛉」 夏目 漱石
作者は「吾輩は猫である」や「坊ちゃん」等、小説家として有名ですが、
俳人としてもたくさんの句を作っています。
1867年に東京で生まれ、1916年に亡くなりました。
私は、赤蜻蛉も人が懐かしいのだというとらえ方に、
漱石という方のやさしさを感じます。
他にも漱石は、 生きて仰ぐ 空の高さよ 赤蜻蛉 という句を残しています。
赤蜻蛉にこころを寄せている漱石の、優しさや淋しさ、
そしてなお生きてゆくという覚悟、そのような事を感じてしまいます。
奈須野 諒子